エージェント・レイ‐狂人の島‐

如何に人間ではなくなったとはいえ、レイはあまりにも容赦がなかった。

迷う事なく女性警察官を射殺する。

しかし。

「俺を酷い奴だと思うか?」

私の心情を汲んだかのように。

レイは小走りに走りながら言う。

「人殺しと罵ってくれていい。嫌ってくれて構わない。その代わり、この島から脱出するまでは俺の指示に従ってくれ」

彼の表情はあくまで冷静で、そして真剣だった。

…そうか。

私は悟る。

彼には覚悟があるんだ。

エージェントとして、任務を遂行、達成する覚悟。

その達成の為になら、手にした銃の引き金を引く覚悟。

全ては、警護対象…私を守る為に。