なら問題はないじゃないか。

機関とやらが、そのミュータントヒーローに倒されたというのならば、俺の出番はない筈だ。

「ですが問題が一つ」

ケリガン女史の表情は元に戻っていた。

「機関壊滅の際に日本国外に流出した試作品を、ヨーロッパ国内に持ち込んだ者がいます」

成程ね。

俺の任務は、その試作品とやらの捜索と、回収って訳か。

…薄く笑む。

今回のアメコミヒーロー役は俺らしかった。