そうしていると、頭上にローター音が近づいてきた。

来た、ヘリだ!

俺は残る力を振り絞り、自分たちの居場所を知らせるべく腕を振った。

すぐにヘリもこちらに気づいたらしく、ホバリングしながら縄梯子を下ろしてくる。

「さ、アシュリー」

まずは彼女に縄梯子を掴ませ、そんな彼女を背後から抱きしめるように、俺も縄梯子に掴まった。

…そのまま上昇を始めるヘリ。

俺はやっと緊張の糸を緩める。

…助かった。

俺達は、生きて帰れたんだ。