「ねぇレイ、ミサイル発射までの時間は?」

「あと15分くらいだ。合流のポイントまでは余裕で到達できる」

腕時計を見ながらレイが言う。

ここまで来れば安心だ。

海風に弄ばれるブロンドの髪を手で撫で付けながら、私は水平線に目をやった。

大好きだった故郷の島だけど、もう二度と来れなくなる。

その事に悲しさを覚える。

テロという自己中心的な思想の押し付けによる犯罪に、激しい憤りを感じた。

こんな事、二度とあってはならない。

大統領の娘として、私にできる事をしたい。

そんな思いが湧き上がって来るのを感じた。