「あっ、そうか。私、有さんと顔がそっくりだったのを忘れていたわ。変装でもしてくるべきだったかも？」
　と美有は思わず口にした。

「はじめまして。私、高階美有と言います。
　こちらは笹本慎也さんです。宜しくお願いします」
　と言って二人はお辞儀をして席に着いた。
　
　だが依然として田内萌は美有の顔を不思議そうに見つめている。

「私そんなに似てますか有さんに？」
　と美有は田内萌に聞いた。

「ええ。髪型も雰囲気も全てそっくりですよ。
　もしかして有さんとは双子だったりするんですか？」
　と田内萌が言った。

　そう聞かれた美有は
「はあ……。私としましてもそこんトコはイマイチ解らないんですよ」
　と困惑して曖昧（あいまい）に答えた。

　そこへウェイトレスがオーダーを聞きに来た。

「あっ、私モーニングでアイスレモンティーをお願い！」