「こんなに震えてるのに…。離すなんて無理。」
「…ぇ?」
「あいつらに、何もされてない…?」
「―え?…なに、言って…。」
私が言おうとしてた言葉は、ヒロ君の言葉に全部飲み込まれた。
なんで今さらっ…!
「てゆーかなんでそんなこと言うのっ?
今さらそんな…優しいこと…っ」
気持ちに整理がつかなくなる。
「大嫌いって…言ったくせにっ。
大嫌いな私が泣こうが襲われようがヒロ君に関係ないでしょ!?
大嫌いなら…。
大嫌いならキスなんてしないでよっ…!」
キスしたことで、また再確認するはめになった自分の気持ち。
すっごく怖かったけど。
好きな人にキスされたっていう事実は変わらなくて。

![Rainbow Love Story [短編集]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.778/img/book/genre1.png)