俺サマ執事のお気に入り






廊下や階段を歩いて、みんなの待つ靴箱へ向かっていると、突然錬くんが立ち止まった。




「わっ…!」



勢いに乗って、錬くんの背中にぶつかってしまったのだった。



「あ、ごめっ…」




「……陽輝」




私が錬くんにぶつかったのを謝ろうとすると、やけに冷めた声が私の声をかき消した。




え‥?


陽輝くん?



錬くんが見つめている先を追って見ると、そこには壁に寄りかかった陽輝くんの姿があった。




どうしたのかな…?
一人で…。






疑問に思いながら、錬くんに視線を移した。




「なんだよ~陽輝。心配して迎えに来てくれたのか?」





少し、戸惑ったような顔してすぐに、いつもの言いぐさをする錬くん。





その問いかけに陽輝くんはこちらにやって来ながら、答えた。