秘密のお勉強会

「こんばんは、僕の名前は野原雅人。
よろしくね、結菜ちゃん。」

雅人さんが、ニッコリと笑う。
とても可愛いその笑顔は、私の頬に熱を持たせた。

「野原雄二」

ぽつりと名前だけ言ったその人は、何だか不機嫌そう。それでも人を引き付ける整った顔をしている。

「(全然似てないけど)お二人は、御兄弟なんですか?」

「ああ、僕らは双子だよ!」

「えっ!?」

スラリと重大発言をした雅人さんに、思わず声が出てしまった。
しまった!と思った時にはもう遅くて、怒ってるよなーとソロリソロリと二人の方を見た。

「そんなにビビらなくても大丈夫だよ?
だいたいの人は、結菜ちゃんと同じ反応だし。」
「ごめんなさいっ!」

あまりにも雅人さんが大人な対応をしてくれたから、迷わず、謝罪の言葉が口から出た。

雅人さんは、笑いながら私をもう一つの椅子へと呼ぶ。
私はその椅子へとチョコチョコと歩いていった。