ガクリと抜けた腰を、雅人さんが支える。

一気に耳まで熱が及んで、とてもじゃないけど雅人さんにはこんな顔、見せられなかった。


「離れて、くだ、さい……。」
「どうして?」

笑顔で、意地悪な質問をしてくる雅人さん。

困り果てた私は、雅人さんをジィと見上げた。

「……イジワル。」

「っ!
……ごめんね、部屋行こうか。」

そういって雅人さんが私の肩を押すから、必然的に私が先に行くことになった。







(反則、じゃないの?)

前に歩く女の子を見ながら、溜め息をついた。
好きなコに上目使い(しかも若干涙目だし)

―――落ちない男はまず、ない


一瞬飛びかけた理性に、慌てて蓋をした。