「マジかよ……。」

雅人が出ていった後に俺の口から漏れたのは俺の心の呟き。

(アイツが、女を……)

さっきも捨てアドを渡すくらいだから車の中の会話は冗談だと思っていた。(実際に軽く言っていたし)


だけど、今の言葉はとても重く、真剣なのが伝わってきた。




(いったいこの数時間の間に何があったんだよ……)

髪をクシャリと乱すが、答えは返ってきそうにない。


不意に結菜の顔がアイツと重なって、吸っていた煙草の煙を溜め息のようにはいた。