雅人が安全運転でありながらも、滑らかに車を走行させる。
俺はついさっき買った煙草を吸って、そして勢いよくはいた。
「雄二! なんで窓開けてないの!!?」
言われてから気づく。
この匂いに慣れてる俺はわからなかったが、煙草なんて吸わない雅人にとっては酷いものだったろう。
スイッチを押して窓を開けると、冷たい夜風が俺の頬を撫でた。
見慣れた高速道路は幼い頃にはしゃいだ窓から少し見える景色すら、色あせて見えた。
「ついたよ。」
偉くはやくついたなと思ったが、俺は気を引きしめた。 雅人もヘラリとした顔をキュッと引き締めていた。
いつ見てもデカイその門を、俺達はくぐっていった―――。

