「35 ひとつ。」

短く言うが、店員は慣れてるように的確に商品を持ってきた。
レジをうち、値段を俺にいう。

俺はその声にこたえて、調度ピッタリ小銭を置いた。

車に戻るかと思いながら店を出ようとするとカゴ一杯にジュースやお菓子が沢山はいっていて(カップラーメンなんかもある)、それをウキウキとした笑顔で持っている雅人がいた。


「……金あんのかよ?」

「だいじょっ、……財布家に忘れちゃった。」

「お客様、よろしければ私が棚に戻しておきますが?」

「優しい店員さんの気遣いに甘えとけ。」