お風呂から上がって、浴衣を着る。


「ジュース買ってく?」

と、隣りを歩く沙緒里が、自販機を指差す。


「うん」


ーチャリン

ーピッ

ーガコン

と、いつもと変わらない音をたてる自販機。

わたしの心は、かなり変わってるのになあ。


あ。
晴流クンの分も買ってこうかな…?

「沙緒里、先行ってていいよ?」

「うん、
じゃあ、また夕飯のときね?」

「OK」


わたしは、晴流クンの分を買って、部屋に戻る。


そのとき。


「ねぇ」


呼びとめられた。

「……知弦…さん?」


「あんたさあ、別かれてよ
晴流と」

え……?


なんで……


「言いたいのはそれだけ」


と、言って、知弦さんは、部屋があるであろう方に帰っていった。


「晴流クンと……別れる…?」