「でも朝の電話、かなり怪しい会話だったよね。やっぱり本当なの?」
「本当」
「へ〜、瀬野がね〜」
「何だよ、その笑み…。お前まさか…」
「いい情報ゲットしちゃった〜」
やっぱり。
でもそうはさせないよ。
「フッ。言えるもんなら言ってみろ。ちゃんとお前の弱みぐらい握ってんだぜ」
「何よ〜。言ってみなさいよ」
「中学の時のアダナが付いた理由は〜」
「わぁぁぁ!!それ以上言わないで。何で知ってるのよ」
「さぁな。これでお前も言えねーだろ」
「きったない奴。わかったわよ!仕方ないから黙っててあげるわよ」
「じゃー、もう帰れ。今から忙しいんだよ」
「何それ。無理矢理連れてきたくせに。じゃあね」
勢いよく玄関に向かって歩きだした瑠華を引き止め、瑠華の顔の横で壁に手を付いた。
「喋ったらタダじゃおかねーから。はい、これ」
指に挟んであった紙を引き取り、瑠華は帰っていった。
.

