【始まりの春】


僕等の出会いは15歳の時だった。


皆まだ新品で少し大きい制服を、同じように着ている。


それぞれ親や友達と話しながら、

これから始まる高校生活の希望に満ち溢れているようだ。


その活気溢れた集団の流れの中、僕は一人うつむいていた。

幸せそうな人々を横目に石を蹴って歩く。


高校生活にちっぽけな希望さえ抱いていなかった、


また始まる。


退屈の繰り返し。



と思っていた。


けど違ったんだ


僕は彼女と出会った。