僕様王子に全てを奪われてⅡ

わたしは元に無理やり立たされた

「帰りたいんだろ?」

「こんなところ…長く居たくない」

わたしがぼそっと呟く

「なら、帰る」

「それでは元がつらくなる」

わたしが振り向くと、元がキスをしてきた

荒々しくて、愛なんか全然感じられないキスだった

なん・・・で?

何をしてるんだ?

どうして?

そうか…薬のせいか

薬で…元の頭の中までおかしくしてるんだ

「俺に恋人はいない
乙葉が帰りたいと言っているなら、俺は帰る
それが俺の仕事だ」

「体はどうするんだ」

元がふっと笑った

「どうにかしてくれるのか?」

「わたしでいいのか?」