僕様王子に全てを奪われてⅡ

「話がしたいなら、俺の仕事が終わるまで待ってろ」

冴子がまた口と手を動かした

女性がこくんと頷くと、微笑んだ

「…やっぱ、帰れ」

女性が首を振って、今度は泣きそうな顔をした

「わかったよ
じゃ、その椅子に座って待ってろ」

受付にあるソファを指でさすと、冴子は事務所の奥に入ってしまった

女性は床に置いてあった大きな旅行用の鞄を、手に持つとソファに向かってよろよろと歩きだした

え?

家出?

まさか…ね

あんな大量に持ってきて…ここまで来るの、大変だったんじゃない?