僕様王子に全てを奪われてⅡ

「許さねえ」

高波さんはさらに後ろにさがる

ゆっくりと僕たちから距離を開けて行き、くるっと背を向けた

逃げるつもりですか?

ここまで来て…逃げるなんて、それこそ貴方は最低だ

「うわぁっ」

ドアに向かって走りだそうとした高波さんは、目の前に立っていた男にぶつかると尻もちをついた

「詐欺、および恐喝未遂で逮捕する」

高波さんがぶつかった男が、慣れた手つきで手錠をかけた

昨日、小山内君のマンションにいた男性だ

確か藤城竜也…て、ん?

『藤城』?

「あ…もしかして藤城竜之介君のお兄さん?」

「気づかなかったのかよっ!」

小山内君が、がくっと肩を落とした

「だって…似てないから」

僕の言葉に、小山内君が思いきり呆れた顔をした

「鋭いのか…どんくさいのか…
有栖川さんってよくわからねえ」

小山内君が深いため息をついた

え?

どんくさっ……ええっ?

初めて言われましたよ