僕様王子に全てを奪われてⅡ

『ずいぶんと軽いお口ですね
これ次第と言われても…』

『いいんですよ
払えないなら、ネットで書きこんでもいいし
教室中の女性に話したっていい
困るのは、先生と愛子さんであって、俺じゃないし』

僕が両手をあげている間も、昨日の高波さんとの会話が流れていた

「止めろっ
なんでこの会話が……あんた、録音してたのか!」

高波さんが目を剥きだして、僕に近づいてくる

「卑怯だぞ」

高波さんが、胸倉を掴んだ

「困るのは、先生でも愛子でもなくて…あんただったってわけだな」

カウンターの椅子に座っている男が、手に持っているICレコーダーを見せた

「誰だ、貴様っ」

「俺? 小山内 勇人
聞いたことぐらいあるだろ?
仲間内から…その名前に気をつけろって」

小山内君が、立ち上がるとにやりと笑う

新しく入る生徒のふりして、高波さんが怒鳴りこみに来るのを…小山内君は待ってた

小山内君は、高波さんが朝一で銀行に行き、手元に金がこないとなれば、すぐに事情を確認しに来るだろうと踏んでいた

だから、その現場に居合わせようと一芝居打っていたのだ