僕様王子に全てを奪われてⅡ

別にそんな顔をされても困る

私は視線を動かすと、竜ちゃんの頭を見た

竜ちゃんは、私たちに背を向けて座っている

でも聞き耳は立てているのだろう

ねえ、竜ちゃんは私の両親を覚えてる?

私は覚えてないの

「なら、一人暮らし?」

「いいえ、使用人が何人かいますから
一人暮らしとは、言えないと思いますよ」

なんてね

有栖川と付き合ってるなんて、全然、知らないんだろうなあ

まして、有栖川と一緒に暮らしてるなんて…思いもしないんだろうね

「さびしくない?」

「ごめんなさい
私、そういう感情がいまいち、わからないんです」

私は高波さんに視線を戻して、肩を竦めた

ちょっと前の私なら、『さびしい』っていうのがわからなかった

有栖川と出会って、知った感情

『さびしい』
『一人が怖い』
『置いていかないで』

一人なることの恐怖心を知った