My Story ━自分物語り━

アリルは少し顔を歪めたが、また元の明るい表情に戻り

「マスターって力強いんだね。剣士になればよかったのに」

心慈が魔導師を選んだのは一番まともそうだったからで特に理由はない。盗賊や吟遊詩人なんて選ぶ奴の気が知れないと心慈はアリルに笑いながら話した。

「マスター笑った!そっちの方がかっこいいよ」

屈託なく笑うアリルに釣られて心慈は自分が笑ってる事に気がつき、恥ずかしくなる。
ここ最近感情を表に出してなかったから“笑う”なんて久しぶりだった。咳払いをして火照る顔を落ち着かせる。

『なぁ、アダマスってどうゆう意味だ?』
「アーニャに聞いたら征服されない者って意味だって」
『アーニャって誰だ?』
「友達。あたしと同じ光でこの前アダマスになってタウンを出てったの」

少し寂しそうな表情を見せたも、心慈の手を握り少し垂れ目のアクア色の瞳を見開き

「あたしにもマスターが出来たから旅の途中でアーニャに会えるかもしれないしね!」