それで桐夜は何も言えなかった。



何かあるんだ。





きっと。




そう思いながら家に帰った。




「ただいまー。」




「おかえりー。」



夕飯のいい匂いのする
台所からお母さんの声がした。



おそらくお父さんはまだ
帰ってきてないのだろう。