「西村っ!!走れ!!」


「龍!?」


「畠山は俺が――だからお前はみんなを…っ」


「ねぇ、ちょ…龍!!」


「何かあったら電話しろ!!」


「龍!!」


夏帆が叫んだ頃には、龍は見えなくなっていた。


「また…バラバラ…」


「夏帆!!下から…」


優梨は階段を指差す。


「あれは――時雨!?」


「一…一を見捨てたら奴らよ、殺す?」


変わり果てた時雨は2枚のJokerを見て言う。


「日坂時雨!!Jokerを渡――」


後ろからB組の男子がバットを持って、時雨に振り下ろした。


「遅い」


サッ

時雨は身をひるがえして男子の首を絞めた。


「ぐっ…」


ニヤッ

不気味な笑みを浮かべる時雨。


「あれは…時雨の形をした悪魔よ――」


琴葉は呟いた。

ガクッ

男子の体はグッタリとした。


「死んだわ、次はあいつらね?」


時雨は夏帆たちを見て言った。


「いや――死にたくない」