黒いマントを羽織っていて、少し不気味だ。

夏帆は身震いをした。

でも、喋り方からして女の子だろう。


『これからこの学校は封鎖されるよ』


封鎖って…

つまり、出られなくなるってこと?


『この“卒業試験”こと“ゲーム”は、トランプのJokerを探すの』


女の子は不気味な笑みを浮かべた。

Jokerって言ったらあんまり良い気分がしない。

だいたいJokerっていうものは、ババ抜きなどで最悪なカードとなるのだから。

夏帆のクラスは訳が分からず呆然としていた。


『実はもうJokerはあなたたちの誰かが持ってるの』


女の子はクスッと笑った。


「あたしたちの誰かが…持ってる?」


あおいが繰り返した。


『まずはね~、3年A組辻森陸と布崎莉加…』


女の子が1クラス2人ずつ名前を挙げた。


『この子たちは最初に選ばれたよ。この子たちが持ってるJokerを奪い合ってね』


奪い…合う?


『ただ奪い合うだけじゃなくて、殺してね。殺し損ねたら、あたしたちがその2人を殺しに行くからね★』


女の子は楽しそうに言った。


『24時間後までに10人になってればいいんだけどな~』


24時間後までに10人…


『Jokerを最後に持ってた子は卒業。持ってなかった子は…もう一回やろっか♪』


女の子はキャーキャー騒いだ。


『あと5分後に始まるから、さっき名前を呼ばれた子は逃げた方がいいよ。殺されちゃうよ?じゃあばいばあい♪』


ピッ

女の子はそれだけ言って、テレビを消した。