「Q――」


『聞かれてるかもしれないから、ばいばあい♪あ、情報はまた電話する~』


プツッ

切られた電話は、虚しく響いた。

Qは俺に協力してくれてる。

Jにも言わずに…もしJに本当のことがバレたなら、

俺だけ死ねばいい――

Aは決意を固めていた。


ズルズル…

馬鹿だなぁ、あたし。

死体がない廊下に座り込む。


「本当、馬鹿」


こんな弱気なところ、誰にも見せられない。

2人も殺したのに――

情けないよ。

本当は殺したくなんてない。

無理に楽しんでるだけ。

作り笑いをして、フリをして。

ぎゅぅっ

自分の服を掴む。

もう逢えない。

きっと、逢ってくれない。

あたし、嫌われちゃったよ。

どうしてあんなになっちゃんだろう…

Kが前みたいに戻ってくれれば、前みたいに笑ってくれればそれでいい。

それでいいのに――

Kはどうして分かってくれないの?

『K』なんて名前、あいつじゃないみたい。

あいつなのにね。

Jが決めた名前。

即答で了解したあいつ。

本当のあいつに戻ってほしい。

考えれば考えるほど、胸が苦しくなる。


「あーあ。馬鹿だね…ほんとに」


Qは涙を流して泣いた。