もう修平はいない。

思い出としてでしか…存在、しない。


「修平…」


愛しい人。

愛する人。

離したくなかった、渡したくなかった。

まさか――

飛び降りるなんて…知りもしなかった。

全てはあいつがいけないんだ。

あいつが仕組んで、あいつが修平を殺した。

修平のために私はあいつを――

殺す。

絶対に逃がさない。

たとえ、私が死んででも――

修平の敵は、私がとる。

修平もきっと、それを望んでる。

だって、死にたくなかったはずなのに…誰だって、“虐め”なんかに耐えられない。

私もそうだった。

修平、ごめんね。

強くなんて生きられなかったよ。

“虐め”に2年間耐えたんだ。

泣きたかったよ、でもね…修平は『苦しくても笑ってろ』って言ったよね。

だから、泣かなかったよ。

笑ってたよ…酷く、なる一方だったけどね。

私と、みんな…修平の為に、復讐するよ。


「許してね、修平…」


大丈夫。

Aだって、やってくれるわ…最後の最後までね。

問題はQとKだけど…ま、そこは自力で解決してもらいたいわ。

西村夏帆――

佐藤龍――

あなたたち2人が、一番の強敵かもしれないわね。

Jの瞳にはさっきの気を緩めた面影は無く、いつもの殺意が込められた視線だった。


「あいつだけは――」


Jは繰り返すように呟いた。