~♪

誰かの携帯の着信音が鳴る。


「誰の携帯??」


「これ、好きな曲だ~」

みんなが騒いでる原因は…夏帆の携帯。

この桜ヶ丘中学校【さくらがおか-】は、携帯禁止・化粧禁止で知られてる通称、桜中。

バレた場合は放課後居残り。


「や、やばっ!!」


「夏帆、サイレントにしてないの!?」


優梨が心配そうな顔をした。


「昨日するの忘れた~!!」


携帯を見つからないように出して、サイレントにした。


「もしかして…西村の携帯?」


龍の笑顔…目を奪われる。

どきっ


「え…あ、うん」


「「馬鹿じゃねぇの?」」


龍と弘樹の声が重なる。


「ハ、ハモるほどゆわれたくないです~」


夏帆はい~っと威嚇した。


「西村ウケるっ」


龍の一言一言が夏帆の頭の中でこだまする。

一緒に居るだけで、こんなに緊張してるし…

キーンコーン


「やべっ、じゃあな。弘樹、頑張れよ」


最後の言葉は意味不明だったけど、

龍と話せたことが夏帆の頬を緩ませた。


「はい、席に着いて~」


「ちょっと~、龍と話してたじゃん」