「夏帆おはよ~」


「優梨おはよっ」


西村夏帆【にしむらかほ】は、仲良しの小沢優梨【おざわゆうり】に駆け寄った。


「今日は見たの~?りゅ・う・く・ん★」


「ゆっ、優梨!!」


夏帆は優梨の口をふさいだ。

夏帆は違うクラスの佐藤龍【さとうりゅう】が好きだ。

違うクラスだからあんまり見れなくて…

悲しい…

夏帆は肩をすくめた。


「よお!!辛気臭い顔してんじゃねぇよ、馬鹿夏帆!!」


ビシッ

額にデコピンをしたのは…

山岸弘樹【やまぎしひろき】。

馬鹿で、アホ。

夏帆とは幼稚園からの腐れ縁。


「いっ、痛いでしょ!!アホ弘樹!!」


夏帆は弘樹を睨んだ。


「おい、弘樹~」


こ、この声は…

あたしの好きな声。

聞き覚えのある…


「弘樹、お前のす…」


弘樹の肩に手を回して夏帆を見てる…龍。


「お゛ぃっ!!」


弘樹が龍の口をふさぐ。

りゅ、龍だあ…

龍とは去年クラスが一緒だったけど、今年離れてしまった。

それにしても…


“弘樹、お前のす…”


って何だったんだろう?