立てない――

教室にはQの笑い声と気持ち悪い音が混ざり合う。


「死んだね~」


グッ

Qは頬にかかった亜紀の血を袖で拭いた。


「じゃあね★」


笑顔で出て行こうとするQ。


「…Q!!どうして――どうしてこん…なこと…するの!?」


途切れ途切れの掠れた声。


「全ては復讐のため★そして…Jのため」


J?

まだ…裏切り者がいるの?


「放送を流しているのも…裏切り者?」


「そう★Kとね、Aも」


「4人…とも?」


「4人…ねぇ?今言えるのはそこまで♪ばいばぁい」


Qはそれだけ言って、美術室を出た。

横を見ると、眼球は飛び出て潰され、手足の方向が変に曲がって、鼻の骨が折れている変わり果てた亜紀がいた。


「…ウッ――――」


死体が悪臭を放ち、異様な匂いが夏帆を包んだ。

夏帆はその場で嘔吐した。


「…ゲホッ――ゴホッ――――ッ」


涙で視界が歪む。


「キャ――――ッ」


「やめろ――っ」


教室の方から聞こえるみんなの声。

たぶんもう…止められない。

ゆっくりと立ち上がった。