「あんた…なの?」


突然隣の女の子に言った女の子の目は…隣の子を鋭く睨んでいた。

どうして――――?

つい4時間前まで、クラスメートだったじゃない…

こんな放送で――

変わってしまうものなの?


「キャ――――ッ!!」


「この声…亜紀?」


夏帆は廊下を見た。

死なせたくない。

もう…誰も。


「亜紀っ!!」


亜紀は美術室にいた。


「夏…帆…逃げて…」


美術室の凶器を手にしている佐川誠司【さがわせいじ】。


「Jokerは…貰う」


ドンッ

それだけ言って、亜紀からJokerを奪って押した。


「夏帆…」


「亜紀、大丈夫!?」


夏帆は亜紀を抱える。

何で、何でこんなことがおきるの――


「佐川…うちのこと、殺さなかった…」


「え…?どうして?」


「言ってたじゃん…Qが…」


“…殺し損ねたら、あたしたちがその2人を殺しに行くからね…”


あの言葉が本当だと思えなかった。

ううん…

思いたくなかった。

誰でも信じたくない…真実。