あたしたち5人は下りてきた階段とは、逆の階段へ走った。

龍、ごめんね…

無事でいてほしい。

生きて、また笑顔、見せてね?


「卒業、したい?」


そいつは言った。


「卒業なんてどうでもいい。生きれればな」


俺は少し笑ってそいつの腹にパンチをした。


「う゛っ…」


「眠っててくれよ…」


カランカラン

包丁はそいつの手をすり抜けて、廊下へ転がった。

ドサッ

そいつは倒れて気を失った。

そして俺は、西村たちを追った。



恐怖はまだ始まったばかり。

この物語の序章に過ぎない。

少女は笑った。

佐藤龍、やるわね…


「Kは?」


少女はA【エース】に聞く。


「放送室」


あの放送はK【キング】が流していたのね。


「そう」


少女はひとりの女の子をモニター越しに見つめた。




「ねぇ、さっきの子…」


夏帆は言った。


「夏帆、誰だか見たの?」


優梨が夏帆を覗き込んだ。