それが孝哉の最後の言葉だった。

時雨は孝哉の手からJokerを奪った。

そのとき時雨は思った。

このままJokerを奪い続ければ…

ニヤッ

楽しいことになる…

時雨はそのとき決めた。

『Joker狩り』でもしようか…


「アハハハハハハハハハ…」


時雨は急に面白くなって笑い始めた。



そんな時雨をモニターで見ている少女がいた。


「日坂時雨…面白いことになった…」


このゲームは人間の醜い一面を引き出してくれた。

この日坂時雨も好きだった田立一を中村大輔に殺され、中村大輔を殺しに行った…

硫酸をかぶってもあのままでいれる人間の執念…


「復讐は始まったばかり…まだまだ殺しあえばいい」


ニヤッと笑うその顔は、誰もが恐怖する顔だった。


「J…」


隣にはさっきテレビに写っていた女の子が少女を見ていた。


「Q、今の犠牲者は?」


「田立一・中村大輔・辻森孝哉の3名です」


「まだそれだけ…人間共…殺し合え」


J【ジェイ】と呼ばれた少女とQ【クイーン】と呼ばれた少女は、まるで下級動物を見るような目で生徒を見ていた。



「一の分まであたしは生きるよ、ねぇ一。いいでしょ?」


時雨は横を見て言った。

時雨は完全におかしくなっていた。


「…うん。分かった。次はあの女ね?」


一人で喋る時雨は、もう次のターゲットを決めていた。


「でもどうして?あの女はJokerを持ってないわよ」