「誰だ!?」


孝哉は棚にあった薬品入りのビーカーを手にした。


「…俺だよ」


大輔が姿を現すと、孝哉はビーカーを戻した。


「大輔か…お前B組の田立を殺したんだろ?」


あの放送か…

大輔は思った。


「あぁ…俺はこの学校を卒業しなきゃならないんだ…死にたくもないしな」


「俺もだ…哀沙…どこに居るんだ」


哀沙…

あぁ、A組の可愛いとか評判の金川哀沙【かながわあいさ】か。

どうも哀沙と孝哉は付き合ってるらしい。


「金川とは…付き合ってるのか?」


大輔は聞いた。


「あぁ、おかげさまで8ヶ月目だよ」


孝哉はドアを横目で見ながら答えた。


「そうか、なら生き残らなきゃいけないわけだ」


大輔は眼鏡をクイッと上げた。


「そうだ…大輔?」


大輔は薬品が入ったビーカーを手に取った。


「お前が死んだら金川は悲しむ」


「おい、落ち着けよ…」


孝哉は後ずさりをした。


「これは硫酸だ。これを浴びたら顔は爛れ…まぁ、最悪死に至るな」


大輔はこのあとの場面が頭に浮かび、笑いをこらえた。