「山梨県代表。星真大学附属甲府高校。」


「夢か・・。」


「いや・・。夢じゃない。俺達は甲子園に出場したんだ。」


僕は大切な物を失い甲子園に来た。


そう・・。命と引き換えに。


「まさか空の上から甲子園を見ているとはね・・。
死んでからは甲子園なんて何回も何十回、何百回でも見下ろす事が出来るのに・・。」


「君はあの舞台に立ちたいのかい?」


「神様・・。」


「僕は、あいつ等が甲子園に立っている事だけで十分です。」


「私の力なら君の死をあと1ヶ月遅らす事が出来る。あとは君次第だよ。」


「神様・・。僕はもう・・。」


「いいかね。君が死んでしまう事は運命なんだ。
よりによって、まだ若い君に死の宣告を与えてしまった事を許して欲しい・・。だから君に最後の償いとして甲子園の地に立ってみないか?」


「神様・・。ありがとうございます。」


「じゃあ、君を7月27日の君達が甲子園を出場を決めた日、そして君が死んだ日に戻そう。
君が次、こちらに戻って来るのは8月27日だ。
すなわち君が死ぬ日だ・・。」



「いいかね・・?」



「はい。お願いします。」