俺は愛子に背を向けて、書類の確認を始めた

「ぬわっほいっ!」

愛子の奇妙な声が背後からしてくる

…て、おい

なんちゅう声を出してるんだよ

仮にも女だろ?

少しくらい可愛気のある声を出せっての

「何よ、愛子…『ぬわっほい』ってどこの国のこ…と…」

な…んで

ここにいんだよ

俺は愛子の横に立っている女に目が行った

いや…

目を奪われた

雪乃

どうしてここにいんだよ

なんで

5年も会っていないのに、一目で雪乃だとわかった

ああ

俺、まだ雪乃が好きなんだ

胸が苦しくなる

心が痛い