「ねぇ、健(タケル)!健ってば!」

背の高いひょろりとした少年が振り返った。

優しげな眼差しの好青年。

「ごめん。ぼーっとしてた。どうしたの?美子(ミコ)。」

肩をすくめて、眉をひそめる少女。

軽くウェーブのかかった長い髪の美少女。

「まったく。そっちの区域は危ないわよ。こないだモンスターが出たらしいから。遠回りだけど、違う道で帰りましょう。」