「先生?答えてよ。なんで?」



「いや…」



「戸田!!!なんでって聞いてるの!!!」


「さっき久保田先生が来て、全部持ち帰ったんだよ」



あたしの目の前がだんだんぼやけてきた。
たぶんあたしゎ泣いてるんだ。


だって、大好きな久保田先生の机がカラになっているから。バレーの雑誌も、パソコンも鉛筆立ても何もかも、久保田先生の机から消えていた。


「先生?久保田先生って辞めちゃうの?」

「そうみたいだ。俺もさっき聞いた。」

「じゃぁ全てが事実だったんだ。」

ねぇ、久保田先生。
整理をしてる最中なにを考えてたの?
一瞬でもあたしを思い出してくれましたか?