ここは、どこだろう……




花は枯れ、冷たい風の吹く広い広い草原の真ん中に私はひとりぼっちで立っていた。



寒い…　

それに、寂しいよ…






まー……


助けて……















「ナナ、ナナしっかりして！！」




誰かが私を呼んでいる……


手にほんのりと温もりを感じた。


誰かが私の手を握っている……



「おかあさん……？」




その瞬間、真っ暗だった世界に一気に光が差し込んだ。



目の前には涙でぐちゃぐちゃの母の顔があった。


「よかった……ナナ、助かって本当に良かった……」



意識の戻った私を見て安心した母は再び泣き出してしまった。







どうやら私の自殺行為は、未遂に終わったようだった。


一回、心肺停止の状態になったものの　医者の対応が早かったため、電気ショックで蘇生されたらしい。




泣きじゃくる母の姿を見て、なんて馬鹿な真似をしたのだろうと涙が出た。



「お母さん、ごめんね…ごめんね……」




「いいよ……、ナナが無事でいてくれたんだからそれだけで十分よ…」



その言葉を聞いて、もう二度と母を悲しませるようなことはしないと　私は胸に誓った。