「ここは……」



やっと目が覚めた私の目の前にあったのは、辺り一面白で覆われた世界。


私の体は白いベッドの上にあり、部屋の周りは白い壁で囲まれ、上には白い天井があった。


徐々に意識が戻っていく……



 
「ナナっ!よかった、気がついたのね!今先生を呼んでくるから」


私の意識が戻ったことに気づいたお母さんが慌てて部屋を飛び出して行った。




そっか……

ここは病院なんだ。


私、あの後病院に運ばれたんだ…


助かったんだ








カレンダーを見ると
どうやら、倒れた日からもう既に数日が過ぎているようだった。


既に年は明けていて、私の知らない間に2009年が始まっていた。



しばらくしてお母さんが先生を連れて戻ってきて、すぐに診察をされた。




「先生、私 一体どうしたんですか…?」


先生は私の脈をとりながら、表情一つ変えずに答えた。


「発作を起こしたみたいだね。 だいぶ、心臓への負担が大きくなってきてるみたいだ。 
これからもこういう発作がいつくるかわからないから、家に帰ってからも常に薬を携帯するようにね」




念のため、あと3日は入院するようにと言い残し 先生は病室を出て行った。





その後はお母さんが買ってきてくれた私の大好きなガトーショコラのケーキを二人で食べ、 携帯の充電が切れてしまっていたので簡易充電器を買ってきてもらった。




携帯の電源を入れて、思わず言葉を失った。



まーからの着信が30件近く・・・

メールも10通以上・・・





私が送った、あのたった1通のメールを読んで まーはこんなにも私を心配してくれていたのだ。



言葉の代わりに涙が溢れた。




泣きながら、急いでメールを打った。




「心配かけてごめん。 もう大丈夫だよ」


って。