両者は睨み合いました。 そして 遂に 赤の国の王が、その均衡を破りました。 「撃てー!!」 凄まじい銃声が赤の国から発せられた、その時です。 突然、赤いものが戦場に飛び込んで来ました。 「やめろ――――!!」 赤の国の王は、とっさに何が起きたのか理解することが出来ませんでした。 気が付くと、二つの国の戦場の真ん中に、三年前に消息を絶った息子が、赤の国の放った銃弾を浴びて倒れていました。