本当は、友達もほしい。


親友と呼べる存在がほしい。


実際は、そんなこと叶うわけなく。


学校生活は、全く楽しくないだろうと悟った。


でも、ある日。



「榊原萌っている?」


イキナリ、男の子の声がした。


しかも、うちの名前を呼んでいる。


その男の子の方をそっと見ると。


女子が見る度にキャーキャー騒ぐ、


日比野龍がいた。


「榊原さんならあそこにいるわよ」


このクラスのリーダー格的な人が、うちを指さして言った。