幸は校門でチャリに乗りながら、
ボーッと携帯を見つめていた。

「ゆ、幸?」
「花恋。乗れよ」


あたしが幸のチャリに跨ると、幸は静かにチャリを漕ぎ出した。

すると・・・。


「コラーッ!!お前等!今ホームルーム中だろ!早く教室戻れ」


わッ!
どうしよう!!


「ん?お前、ここの生徒じゃねぇな。どこの生徒だ?学校名と名前教えなさい」

生徒指導っぽい先生が幸に不機嫌そうに尋ねた。

「は?俺?俺は梓川高等学校の三山幸ですけど」

幸はキレ気味に答えた。

「梓川高校ッ!?梓川高校のヤツがここに?」
「コイツ俺の幼馴染で学校に行く道の途中だから送って行ってるんです」
「そ、そうか・・・。それはさておき、お前、1年だろ?初日からサボってんじゃねぇぞ。理事長が呼んでいた。理事長室に今すぐ来いだとよ」