顔のない恋

以前のこともあり、恐怖で
後ずさる私にカズキは、
持っていた傘を私に握らせ
微笑むと、自分の背中に私を隠した

『大丈夫だよ』って言われたようで
心強くて、恐怖は薄れ
不謹慎にも胸が弾んだ…


「彼女に何か用事ですか?先輩」

穏やかに、でも威圧感のある口調の
カズキ

「すっかりナイト気取りだな…」

先輩は動じるでもなく、鼻で笑うと
呟くように言った