不意にルームミラーを見るカズキと目があった

咄嗟にお互いに目をそらすが、

「「あのさ…」」

二人の声が重なり、再び視線がぶつかる

瞬間、お互い言うことが分かった。

カズキがフッと微笑んで

「同じだから…」

その言葉だけで充分だった
私は、無言で大きく頭を上下に動かしていた。

喉の奥がぐっと詰まって声が出なかった…


「待ってて」

再び話はじめたカズキの方へ顔を向けた

「ちゃんと俺から気持ち伝えたいから、それまで待ってて欲しいんだ」

理由を聞きたかったけど、私は『うん』とだけ答えた。

私自身ケンジのことがあったし、何よりカズキの瞳がひどく傷付いているように見えたから…。