暫くすると、カズキが誰かに電話をかけ始め、玄関付近で何やら話終えると、私に『ちょっと待ってて』と外に出でいってしまった。

程なくして戻ってきたカズキは

「送るよ」

そう言って右手に持っていた車のキーをブラブラさせてみせた

車は持っていないはずのカズキ

「どうしたの?」

驚いて聞くと、同じアパートの大学の先輩から借りたのだと教えてくれた。

こんなにも自分のために何かをしてくれることが嬉しい
胸が痛いくらいにぎゅっとなった…


家までは車で20分程度の距離
助手席に緊張した面持ちで座りながら、時折横目で運転するカズキを見ては一人でドキドキしていた。

私…やっぱりカズキの隣に他の誰かが居るなんて考えられない
じゃなくて耐えられないんだ…

なんてずるくて、欲張りなんだろう

でも聞かずにはいられなかった

私のことどう思ってる?