顔のない恋

『今ケンジの家だけど、
薬飲んで寝たみたいだから、帰ろうと思ってたとこ』

それから彼女は少し『うん、うん』と相槌をしていたが

『分かってるけど、やっぱりいきなりは言えないよ…
病気なんだし、それじゃ可哀相過ぎるじゃん』


この言葉を聞いた時、ハッキリ分かったんだ

彼女の俺に対する気持ちがもう同情でしかないってことが…