顔のない恋

「ご馳走様でした」

手を合わせ、使った茶碗やお皿を片付け、慣れた手つきで素早く洗う

特別見たいテレビがなければなるべく早くお風呂に入り、部屋へ急ぐ

パソコンを早くいじりたいのと、お父さんと顔を合わせたくないから…


パソコンを立ち上げると大体Ken2は既にいて、
話しかけてくる。


『こんばんは!』

「こんばんは!お待たせ~」
から始まり、

『今、大丈夫?』

「うん!一通り終わって落ち着いたところだから」

『偉いね、毎日家事やって』

「しかたないよ~(^_^;)」


彼は、私が家事をしていることを知っている

お母さんが働きに出ていることも、お父さんを嫌っている事も…。