「蒼、碧のことあんまりめんどくさがっちゃダメだよ?」



「え?」



「あれでも碧、蒼のこと思って言ってるんだから」





それはわからないでも無い。



でも碧は面倒くさいんだ。





「じゃ、私帰るね!

蒼、萌ちゃんのことちゃんと送ってあげんのよっ!」





“萌ちゃん”のとこを強調させて、芽衣が大きく手を振ってくる。





「バイバイ、萌ちゃん♪」



「あ、ばいばい」





隣に立つ柏木さんは芽衣に対して小さく手を振る。



こういう柏木さんは控えめで本当可愛いと思う。





「帰ろうか」



「う、うんっ

荷物持ってくるねっ」





パタパタと小さな音をたてて教室に入る柏木さんは可愛い。