気付けば受付まで来てたみたい。



蒼くんを見すぎちゃってた。



貸出しカードをカバンから出すと、蒼くんがそれを受け付けに出す。



なんだか全部やってくれてる。



お兄ちゃんみたい。





「…日までに返却お願いしますね」





受付のお姉さん?が、笑顔でそう言うと、またしても本を持って私の先を蒼くんが歩く。



え? え??



図書館を出て自転車置き場まで来てから、無言だった蒼くんが





「柏木さん自転車は?」





って聞いてくる。





「え? 歩きです」



「そんなに家近いの?」



「歩いて、5分…です」



「へぇ、近いんだ。

送ってく」



「えっ わ…悪いです…っ」



「こんなにたくさん持って帰れないだろ」





蒼くんの自転車のカゴになんとか乗っている状態の本。



確かに持って帰れないかも……。