「で、あの女の人誰?」





桃花がずいずいっと顔を近づけてくる。





「え?

女の人って――…雅さん?」



「多分」



「雅さんは中学の時の先輩」



「ふぅん…」





横目でジロリと睨んだと思えば、納得したのか口を尖らせながら頭を小さく上下に振る。



なに今のしぐさ。





「…はは(笑)」



「何笑ってんのーっ?!」



「だって可愛いから」



「え……」



「あ、顔赤い」



「いっ、言われなくてもわかってるし!」



「あはははは(笑)」



「もー笑わないでよっ!」





口を尖らせてるときも。



顔を赤くしてるときも。



怒ってるときも。



可愛いよ。



桜の花に負けないくらい。